2019年8月29日木曜日

2019年(第31回)越谷市中学生使節団 姉妹都市派遣事業

 7月24日から8月4日まで、第31回越谷市中学生使節団(派遣生15名、引率2名)が越谷市の姉妹都市:オーストラリア・キャンベルタウン市を訪問しました。
 使節団一行は、動物園見学、シドニー市内見学、学校訪問、キャンベラへの一泊研修、キャンベルタウン市内の施設見学など多くの経験をしながら、オーストラリアの自然、文化、歴史についてたくさんのことを学ぶことができました。


派遣生: 金城 素楽   吉村 壮太郎   保土田 瑠美   宝達 優苗
     田中 駿介   池田 舞亜    髙橋 りり花   飯田 梨帆
     吉嶺 賢飛   小林 莉緒    村中 悠那    石川 茉優
     池田 雛遥   中村 政仁    青木 麻璃香   
引率者: 堀江 亨一郎  須賀 典子

派遣生の報告書を紹介します。(抜粋)

 オーストラリアの食事は日本と違い、パンやパスタなど小麦粉を多く使った食べ物がほとんどで、それはオーストラリアが小麦の栽培が盛んだからだと考えました。また、オーストラリアの食べ物は味がとても濃く、塩やケチャップなどで味付けをしていました。それに対し、日本は出汁を取ってうまみを活かしたり、素材そのものの味を使っていると感じました。

アボリジニーについてはフィッツォロイ フォールでの伝統文化セミナーなどで触れる事が出来ました。そこでは、アボリジニーの方がガイドしてくださいました。その時に印象的だったのは、草に少量の水を加えて石鹸として利用したり、蔓などでロープのようなものを作っていたことです。また、別の場所ではリンゴの皮むき器のようなものがありました。

オーストラリアの方は皆フレンドリーで、すれ違うだけでユニフォームにある日本の国旗を見て、Hello! と話しかけてくれたり、コンニチハ!など、知っている日本語を使って私たちとコミュニケーションを取ろうとしてくれました。この時、決して上手な日本語ではなかったけれど、私たちには伝えてくれようとしてくれたことがしっかり理解できたような気がしました。

現地の小学校で授業にお邪魔して生徒たちと交流した際に、折り紙を教えたりゲームのヒントを教えたりしました。そこで、生徒たちが小さなことでも「Thank you」と笑顔で言ってくれました。この言葉もよく使う言葉ですが、沢山言ってくれたのでとても嬉しかったです。そして、こんな簡単な言葉でも、自分の気持ちを伝えることは相手も自分もどちらも気持ちがよくなり、距離を縮める事が出来るのだと思いました。

一番の心配は、言語が英語のため自分の思いが相手にしっかりと伝わるかが心配でした。しかしファミリーなどと会話を繰り返していくと、とても驚きました。向こうの人達はちょっとしたジェスチャーを交えて説明するだけで真摯に聞いてくださり、会話がとても弾んだからでした。この時が自分の中で驚いた一方、とても楽しかったことでした。生活や文化も全く異なる人同士が、英語という一つの言語を通じて同じ空間で話し合えるという事に感動しました。

 私の家族は過去にホストファミリーをした経験が何回かあります。 その時は、自分の英語に自信が持てず家族に頼ってばかりでした。しかし、今回逆の立場になり、日本語が通じず英語しか通じないホストファミリーと一緒に過ごしてみて、心細かったですが温かく私を迎えてくれて本当に嬉しかったです。今後ホストファミリーをするときは、今回自分がしてもらって楽しかったことや嬉しかったことをしてあげられるようにしていきたいと思います。

 一日目の夕食後、道具の説明をしてお茶をたててあげました。すると、ホストファミリーはとてもうれしそうにお茶を飲んでくれました。ホストファミリーは日本のお茶を飲むのが初めてだったそうです。ホストマザーは気に入って、私は毎日お茶をたてました。また、和菓子を用意していきました。日本の和菓子は珍しいようで、もみじ饅頭をお茶と一緒に出したらとても気に入っていました。私は伝統文化部で学んだ日本の文化を外国の方に伝えられ、触れてもらえることができてとてもうれしかったです。

 キャンベルタウンの街並みはとてもきれいでした。どのような点がきれいだと思ったかというと、まず、ごみが少ないことです。道に落ちているごみはほとんどなく、ボランティアでゴミ拾いをしてくれている人も見ました。他にも挨拶をしてくれたり、日本語で話しかけてくれたり、気さくで優しい人が多かったです。さらに、オーストラリアでは、ペットボトルのリサイクルでペットボトルを専用の機会に入れると、お金とペットボトルを交換することができます。他にも節水を心掛けたりしていて、資源や自分の町を大切にしているのだと感じました。

 食事は、朝食、モーニングティー、昼食、アフタヌーンティー、夕食の5回ありました。出かけるときにはフルーツやお菓子などをたくさん持たせてくれました。家族や友人との時間を大切にする文化なのだと感じました。朝食はシリアルが多かったですが、私はベジマイトという野菜を発酵させたジャムのようなものを食べてみたいと思い、ホストマザーに頼みました。念願のベジマイトを食べることができましたが、残念ながら私の口には合いませんでした。オーストラリアでもベジマイトは好き嫌いが分かれているようです。夕食はオージービーフのステーキやラム肉などを料理してくれ、オーストラリアの食文化を知ることができました。

 キャンベルタウンでは、私たちのような青少年使節団の方たちにもお会いする機会がありました。この方々は、様々な人種のとても国際色豊かなメンバー構成でしたが、とても仲良くしていて、多文化の輪が出来ていると感じたのが、特に印象的でした。私達の暮らす越谷市でも、今後急速に国際化が進んで、いずれ多文化共生社会というのにふさわしい状況になってくると思っています。私たちも、個人的な偏見や差別的な意見ではなく、こうしたキャンベルタウンの人達を見習って、お互いを認め合い、共に生きていく意識を持つことが、今後は何より一層大切なことだと考えています。

 学校を訪問したときでした。教室に入ると7歳くらいの子たちが5、6人のグループに分かれて学習していました。その一つ一つのグループの中には様々な人種の子たちがいて、一緒に学び生活していました。別の教室を訪問した時に仲良くなった女の子は、「私はニュージーランド出身だけど、ここにいる子たちはみんな友達。」と言っていました。この様な多文化社会に生きるオーストラリアの人達の広い心は、とても素晴らしく美しいものだと感じました。

 午後からは動物園に行きました。コアラやカンガルーを間近で見たり、ヘビやカンガルーの赤ちゃんを触ったりと、日本では体験できないことを多く体験することができました。 そしてその夜、 ホストファミリーと対面しました。上手く英語で会話ができるか不安でしたが、今までならった英語を使い、ジェスチャーなども交えながら上手くコミュニケーションを取ることができました。また、ホストシスターもいたため、ホストファミリーと打ち解けるのも早かったです。

 これからの人生の中で、姉妹都市派遣の経験は決して無駄にはならないと思います。私は将来看護師の道を進んでいきたいです。今の時代、グローバル化が進み、外国の方が多く病院に行きます。自分の英会話力をもっと深め、外国の方が困らずに診察を受けられるようにしたいなと思いました。

 学校訪問やBBQなどでたくさんのオーストラリアの方に会いましたが、皆さん明るくフレンドリーで、とても親切に色々なことを教えてくれ嬉しかったです。もちろん英会話はできたほうが良いです。ですが、最も大切なのはコミュニケーションをしようという気持であると感じました。この気持を忘れず、これからはどんどん自分から外国の方に積極的に話しかけられるよう、英会話力も磨いていきたいと思います。

 これまで私は行動に示すことが苦手でした。しかし、私たちを受け入れ、優しくしてくださるホストファミリーの皆さんに感謝の気持ちを伝えるためには、行動に示すことが大切だと思いました。「Thank you.」は、いつも心がけて言うようにしました。また、使わせて頂いたお風呂や洗面所、ベッドやキッチンをきれいに掃除しました。それに気づいたホストファミリーのマザーは、ハグをしてとても喜んでくれました。嬉しかったです。お互いに自分の気持ちを行動に示す事で通じ合う事ができるのだと感じました。


【都市交流委員会】